グラフィックデザイナーのノート

松 利江子(フリーランス・グラフィックデザイナー)の公開ノート

カテゴリ: 音楽デザイン


展覧会「平間至展 写真のうた -PHOTO SONGS-」01

「平間至展 写真のうた -PHOTO SONGS-」を観てきました。
平間至さんは、タワーレコードの「NO MUSIC, NO LIFE.」キャンペーンポスターをはじめ、音楽関連の仕事を多数手掛ける方です。

会場は、「SONGS #1 原点」「SONGS #2 仕事」「SONGS #3 バックステージ」「SONGS #4 田中泯 場踊り」「SONGS #5 平間写真館TOKYO」で構成されていました。
 

展覧会「平間至展 写真のうた -PHOTO SONGS-」02
タワーレコードの「NO MUSIC, NO LIFE.」キャンペーンポスター。
 

展覧会「平間至展 写真のうた -PHOTO SONGS-」03
「ROCKIN'ON JAPAN」「風とロック」「CUT」などの雑誌の表紙。
 

展覧会「平間至展 写真のうた -PHOTO SONGS-」04
CDシングルのジャケット。
この独特の縦長を活かした構図とトリミングが印象に残ります。
 

展覧会「平間至展 写真のうた -PHOTO SONGS-」05
CDアルバムのジャケット。
 


展示されている写真や印刷物のそばには、どのようにして撮影されたのかや当時のエピソードなどが添えられており、写真を観ながら文章も楽しめます。
撮影場所や小道具、ポージングなどのアイディアが優れている作品、そして瞬間の捉え方が絶妙な作品が多数展示されていました。
展示内には大量のアイディアノートもあり、これらのノートは、日常の中で絶え間なく撮影について考えていることを物語っています。
アイディアノートの内容は一部しか観られませんが、これほど多くの写真の基盤となる緻密な考えが記されているのでしょう。


展覧会「平間至展 写真のうた -PHOTO SONGS-」06
「平間至展 写真のうた -PHOTO SONGS-」は、ヒカリエホール ホールB(渋谷ヒカリエ9階)にて、8月23日(水)まで開催されています。
(同会場のホールAでは、「ソール・ライターの原点 ニューヨークの色」も展示中です。)


【関連URL】 



「The Street Sliders “Hello!!”」日本武道館

2023年5月3日、日本武道館でのストリート・スライダーズのライブを観てきました。
 
2000年10月29日の「LAST LIVE」から22年ぶりの再集結で、デビューから40年、解散から22年という年月が感慨深いです。

当時も今も、日本でこのようなグルーヴを出せるバンドは稀有な存在です。久しぶりに観ても、それぞれの音が際立ち、本当に良いバンドだと改めて感じました。

以下、自分用のメモとしてセットリストを残しておきます。

●2023年5月3日(祝・水) @日本武道館 
 「The Street Sliders “Hello!!”」セットリスト 
 01. チャンドラー
 02. BABY BLUE
 03. Angel Duster
 04. Let's go down the street
 05. one day
 06. すれちがい
 07. Pace Maker
 08. ありったけのコイン
 09. 曇った空に光放ち(新曲)
 10. ミッドナイト・アワー(新曲)
 11. 天国列車
 12. Hello Old Friends
 13. So Heavy
 14. Back To Back
 15. 風の街に生まれ
<アンコール>
 16. のら犬にさえなれない
 17. TOKYO JUNK

これが本当の「LAST LIVE」かと思っていましたが、ライブの最後に秋のツアーも発表されました。


◆ライブ開演前の会場BGM
 (わかったものだけ)
 01. Rockin’ the Blues Away - Original Mix / Tiny Grimes
 02. Midnight Blue / King Curtis
 03. Try It Baby / Detroit Soul Ensemble
 04. Slow Drag / King Curtis
 05. Bluesology / The Modern Jazz Quartet
 06. Campus Cookie / Chuck Berry
 07. San-Ho-Zay / Freddie King
 08. After Hours / Jimmy Nolen


 【関連URL】 


ryuichi sakamoto『out of noise』

NowPlaying “aqua” - Ryuichi Sakamoto
January 17 1952 - March 28 2023
坂本龍一さん R.I.P.
 
 

映画『デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム』01

ブレット・モーゲン監督・製作・編集のドキュメンタリー映画『デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム』を観てきました。

モーゲン監督は、デヴィッド・ボウイ財団が保有する膨大な映像にアクセスすることを許され、全ての映像を見るために2年もの歳月を費やしています。そして、その中から貴重な映像を厳選し、40曲にわたるボウイの名曲で構成された映画を作り上げました。音楽プロデュースはボウイの楽曲をプロデュースしてきたトニー・ヴィスコンティが手がけ、音響は映画『ボヘミアン・ラプソディ』でアカデミー賞を受賞したポール・マッセイが担当しています。

本作はただのドキュメンタリーではなく、変化し続けるボウイの人生、音楽やライブパフォーマンス、クリエイティブを追体験するような映像になっていました。監督の言葉によると、本作は壮大なIMAX体験となるような映画を目指しているとのことで、映像も音楽も見る者を圧倒する仕上がりになっています。しかし、当時の映像とIMAXのスクリーンでは技術的なミスマッチが生じます。そういったミスマッチや映像のクオリティを馴染ませるために監督は問題を逆手に取り、イメージヴィジュアルを挟み込みコラージュのような映像編集を施すことで現代の映像作品に必要な新たな意味を創出しました。

本作では、全編にわたってボウイのナレーションが流れます。ボウイの言葉には哲学的な要素や予見的な言葉もありそのどれもが印象的なのですが、映像と字幕を追うのが大変なので見返したくなる箇所も多くありました。予告でも使用されている「大切なのは何をするかで、時間のあるなしや、望みなんか関係ない」というボウイの核心に触れたものは特に印象に残っています。

この映画は、事実を詳細に説明するものや伝記映画ではないため、ボウイを知らない人が見ても楽しめるかどうかは正直わかりません。しかし、ファンであれば、チャレンジングな構成によって大いに楽しむことができるでしょう。IMAXで鑑賞することをおすすめします。
 

映画『デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム』02
ポスターデザインには、
山本寛斎さんの衣装をまとったボウイの写真が使用されており、
鋤田正義さんが撮影を担当しています。
 

映画『デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム』04
映画『デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム』03
渋谷パルコでは、映画『デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム』の公開に合わせて、デヴィッド・ボウイ公式グッズ Pop-up Storeもオープンしていました。
※期間:2023年3月3日(金)~4月9日(日)まで。





3/24 (fri) 全国公開!『デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム』90秒予告編 - YouTube




【ライブシーン収録】『デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム』本編映像 “レッツ・ダンス”【3.24(fri)公開】 - YouTube


 【関連URL】 

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バズ・ラーマン監督の映画『エルヴィス』を観てきました。

以前から、日本でのエルヴィスの音楽的評価が低いことが気になっていました。
この映画が再評価のきっかけになれば!と思って観ましたが、音楽史に与えた影響や重要なエピソードがあまり触れられず、「苦悩に満ちた人生」を描く作品になっていて残念。
上映時間の大半に割かれているのはトム・ハンクス演じるパーカー大佐によってどんどん酷い状況になっていく「つらいパート」でした。
 
しかし、ブラックミュージックに触れた幼少期や、悩んだ時に訪れるビールストリートのシーン(B.B.キング登場!)はなかなか良かったです。
白人のエルヴィスがブラックミュージックにどれほど影響を受けて、どのように融合させていったのか、後のロックに与えた影響など、もっと盛り込まれていたら良かったのに!とは思います。
 
だけどそうは言ってもエルヴィスだし、バズ・ラーマン監督だし!
映画としては楽しめました。


【関連URL】 
映画『エルヴィス』オフィシャルサイト - Warner Bros

グラフィックデザイン事務所 DESIGN+SLIM
 

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