グラフィックデザイナーのノート

松 利江子(フリーランス・グラフィックデザイナー)の公開ノート

タグ:フィンランド

イッタラ表参道ストア&カフェ_01
先日鑑賞した「イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき」が素晴らしかったので、東京の表参道にある「Iittala Omotesando store & café」(イッタラ表参道ストア&カフェ)にも行ってきました。
店舗デザインは建築家の隈研吾さん(株式会社隈研吾建築都市設計事務所主宰)で、イッタラの製品を扱っている直営ショップとカフェが併設されています。


イッタラ表参道ストア&カフェ_02
カフェ店内からの風景。


イッタラ表参道ストア&カフェ_03
カフェで使用される食器はもちろんイッタラの製品。
グラス「カルティオ」は、デザイナーのカイ・フランクによるもの。
実際にお水と氷が入ったグラスはとても美しいです。


イッタラ表参道ストア&カフェ_04
「ティーマ プレート ハニー」のシナモンロール。


イッタラ表参道ストア&カフェ_05
「ティーマ プレート ホワイト」のサーモン カレリアパイ。


イッタラ表参道ストア&カフェ_06
壁際の棚には「アルヴァ・アアルト コレクション ベース」「バード バイ トイッカ」など。
色の「ウルトラマリンブルー」と「コッパー」は、2022年のアニュアルカラーだそうです。


イッタラ表参道ストア&カフェ_07
右下にあるのは、デザイナーのオイバ・トイッカによるガラスアートシリーズ「ポムポム」。
左下にあるのは「ティーマ マグ」とアラビア製品の「スンヌンタイ」「パラティッシ」。

カフェの店内に展示されている製品は、その年のアニュアルカラーのものや復刻されたものなど、今しか見ることができなかったり買えなかったりするものも多そうです。来店のたびに展示内容も変わっていると思うので、また訪れてみたいと思いました。
直営ショップのカフェは、食器やカトラリーを実際に使用&試用できるのも良いですね。


イッタラ表参道ストア&カフェ_08
カフェの外観。


【ACCESS】
Iittala Omotesando store & café(イッタラ表参道ストア&カフェ)
住所:東京都渋谷区神宮前5-46-7 GEMS青山クロス1階
電話番号:03-5774-0051

【関連URL】

グラフィックデザイン事務所 DESIGN+SLIM 

「イッタラ展」01

「イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき」を観てきました。
1881年フィンランド南部のイッタラ村に設立された、フィンランドを代表するライフスタイルブランド「イッタラ」の展覧会です。フィンランド・デザイン・ミュージアムで開催された展覧会を再構成したもので、日本初の大規模巡回展になります。

イッタラの「美しさと機能性をすべての人へ提供する」という哲学と、アルヴァ・アアルト(建築家・プロダクトデザイナー)の「優れたデザインは日常生活の一部であるべき」という思想には強い共感を覚えます。

イッタラの製品はもちろんどれも素晴らしかったのですが、なにより印象に残ったのは「多種多様なデザイナー」と「ガラス職人の存在」です。
「イッタラとデザイナー」のコーナーでは、8人の代表的なデザイナーがプロダクトとともに展示され、「職人の技」のコーナーでは、ガラスの加工道具や加工の工程なども紹介されていました。

イッタラでは、プロダクトデザイナーだけでなく、建築家やグラフィクデザイナーも活躍しています。ディスプレイデザインとグラフィックデザインを担当していたティモ・サルパネヴァは、イッタラの「iロゴ」をデザインし、その後プロダクトもデザインしました。
「サルパネヴァとiロゴ」というコーナーでは、カタログの表紙やパッケージデザインなども展示されています。「広告イメージ 世界観を伝える」というコーナーでは、1950年台の広告イメージも展示されていました。今で言うブランディングデザインにも早くから取り組んでいたことがわかります。
 

「イッタラ展」02
会場入り口付近のポスターには、タピオ・ヴィルカラの作品「カンタレリ(アンズタケ)」が使用されていました。タピオ・ヴィルカラの作品は他にも自然からのインスピレーションを得た作品が多数あります。


「イッタラ展」03
アルヴァ・アアルトによる「アルヴァ・アアルト コレクション」


「イッタラ展」04
やわらかな波形の作品は、フィンランドの湖からインスピレーションを得たとも言われています。奥に写り込んでいるのは、「アアルト・ベース」のドローイングです。
 

「イッタラ展」05
「アアルト・ベース」
吹きガラスと型ガラスの製法を組み合わせて作られています。
会場では「アアルト・ベース」の制作工程のムービーも公開されていました。


イッタラの魅力のひとつに、豊富なカラーバリエーションがあります。
現在のカラーパレットは200色あり、そのうち毎年平均20色が主に使われ、新色も開発し続けているそうです。カラーガラスのサンプルも展示されていて、ガラスの厚さが変わると色がどのように変化するかが3段階で確認できるようになっていました。カラーガラスの開発には、カイ・フランクが大きく貢献しているようです。


「イッタラ展」06
オイバ・トイッカによる「バード バイ トイッカ」

「イッタラ展」07
会場では「バード バイ トイッカ」の製造工程のムービーも公開されていました。
ガラス職人の熟練した手作業を見ることができます。


そのほか、ライフスタイルの変化によるスタッキング(積み重ねること)も印象に残りました。第二次世界大戦後は、マンションなどの集合住宅が増え収納スペースも限られたことから、重ねられる製品が作られました。積み重ねても美しく魅力的な製品は、収納スペースに飾る楽しみもあります。
また近年は、リサイクルガラスを使用した製品の製造やサスティナビリティへの取り組みなど、時代の変化も取り入れているようです。


「イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき」は、11月10日(木)まで、渋谷の Bunkamura ザ・ミュージアムで開催されています。

※今回掲載している作品は、会場の3箇所にある撮影可能エリアのものです。

【関連URL】
イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき | Bunkamura

グラフィックデザイン事務所 DESIGN+SLIM 

ザ・フィンランドデザイン展

「ザ・フィンランドデザイン展 -自然が宿るライフスタイル」を観てきました。

豊かな自然からのインスピレーション、社会とライフスタイルの変化など、デザインに与えた影響やデザインが生まれた背景など、多くを体感できる展覧会です。

19301970年のフィンランドデザインの流れと全体像を見通せる展示となっていました。


【関連URL】 
ザ・フィンランドデザイン展 ― 自然が宿るライフスタイル | Bunkamura

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